プロレスにおける衛生問題

プロレスのリング(マット)は、ほぼ土足状態で汗、血も付着しているバイ菌だらけ。試合や練習でグランドレスリングをやると肘や膝を中心に全身が擦り傷になり、マットバーン=MAT BURNと呼ばれる。

昭和期はシャワーを浴びてから脱脂綿につけたアルコールで全身を消毒した。全身が擦り傷状態のためアルコールが染みて飛び上がる!!この消毒を怠ったのか、アントニオ猪木さんは膝からバイ菌が入りウイルス性関節炎(ウイルス性蜂窩織炎ともいわれた)を発症して足を切断寸前までいっており、剛竜馬選手らも同様の状態となった。それ以降、新日本プロレスではリングに上がる花束嬢、認定証を読む人らに靴を脱がせてリングに上がらせたが、水虫は大丈夫か?

アメリカは家の中も土足でリング上も土足だが、日本は学校内、ジムなどで外履き、中履きと靴を変えるが、入口付近の通路やトイレなど共用エリアもあり、ほとんど意味がない。

ルー・テーズが購入したリングはアトランタのジョディ・ハミルトンが持っていたリングだったが、どこに保管していたのか、白いキャンバスが泥だらけで、そこでグランドレスリングをやったら肘や膝が擦りむけてマットバーンになり、白いキャンバスが赤い血で水玉模様のようになり、肘や膝が化膿してクロロマイセチン軟膏を塗りたくった。衛生面ではかなり危険である。

ルー・テーズと一緒にノーフォークのハンプトン・ブルーバードの店に新しいキャンバスを買いに行き、ブルーのキャンバスにしようと決めたが、納入されてきたのは何故かブルーのビニール地。10ドル程安かったからビニール地に変えたのか?ビニール地は汗を吸わないため滑って危なかった。

選手が持つ病気の問題もあり、マットバーンからの感染は怖い。B型肝炎ウイルスキャリアが試合をして流血戦もやり、その後、発症して大学病院に長期入院したが、対戦相手はその事実を知っていたのか? プロレスマスコミで「某選手がB型肝炎である」と報道され、私はその選手と試合をしていたため焦ったことがあった。C型肝炎キャリアでありながら流血戦をやって相手選手にC型肝炎を移したとのことで、230万ドルの支払い命令判決を受けた選手もいた。HIVキャリア(エイズ)で試合をしていて亡くなった選手もいたという話も聞いた。その選手と試合をした選手は心配であろう。

私のUNWの選手契約書には「乙(選手)は本試合をするにあたり健康の管理を十分に行い、試合に万全の健康状態で臨むこと。健康上問題『ある・ない』あるの場合、疫病名等を記載。疾患、病気等を隠して試合に出場し事故等が起こっても、甲(UNW)は一切責任を持ったり関与したりしない」という項目があったが、虚偽記載されたら、どうしようもない。

スポーツで皮膚病、感染症などの病気が移るのを防ぐには、どうしたらいいのか? 出場させないことが最善の対策だが毎試合、全身の健康診断ができるわけもなく、病気を隠して出場する選手もいると思われ難しい。主催者側のマットや器具などの衛生管理は重要だが、現実的には難しいか?